いつもお世話になっております。パソナシンガポールです。
2023年がスタートいたしました。
日本では仕事初めに会社近くの神社に新年参拝いかれる方も多いかと思いますが、皆様どのように年始を迎えられましたでしょうか?
新しい年を迎え、気持ちも新たに業務に取り組まれていらっしゃるかと存じます。
年始のこのタイミングに考えておきたい人員計画についてお届けいたします。特に今年は9月にEmployment Pass(EP)審査における新ポイント制度COMPASSの導入が予定されておりますので、新制度を見越して早めに人員計画を進めていくことが重要です。
本ニュースレターが年始のスタートダッシュの参考になれば幸いです。
9月からスタートする新ポイント制度COMPASSとは?
2023年9月より、EPの審査に新たなポイント制度 Complementarity Assessment Framework(COMPASS)が導入されます。EP取得には、月額固定給基準を満たし、COMPASSで合計40ポイント以上の取得が必要となります。
(新規申請は2023年9月1日から、更新は2024年9月1日から適用)
C1. Salary 給与
ステージ1: 年齢とともに上昇するEP最低給与基準を満たす(SAT)
ステージ2: 業界別のサラリーベンチマーク*を満たすことでポイントを獲得
*業界別のサラリーベンチマークは毎年3月に更新され、同年の9月1日以降提出されるEP申請に適用
*企業の業界についてはACRAを確認(全22業界)
C2. Qualifications 資格・学歴
EP申請の対象となる候補者の学歴が、
・トップ大学卒業(シンガポール国内および世界トップクラスの大学等):20ポイント
・上記以外の学位同等の最終学歴:10ポイント
・それ以外:0ポイント
C3. Diversity 国籍多様性 (国籍別在籍人数割合の確認方法)
EP申請の対象となる候補者の国籍が、既存のPMETs社員
(Professionals, Managers, Executives and Technicians)の中で何割を占めているか
C4. Support for local employment ローカル人材の雇用 (自社ポイントの確認方法)
企業におけるローカルPMETs人数の比率
<COMPASS免除要件>
下記のいずれかに該当する場合はCOMPASSの適用は免除される
1. 月額固定給与がS$22,500以上の申請者
2. ICT(企業内転勤者:Intra-Corporate Transferee)の申請者
3. 1か月以内の短期就労申請者
参照:Complementarity Assessment Framework (COMPASS)
https://www.mom.gov.sg/passes-and-permits/employment-pass/upcoming-changes-to-employment-pass-eligibility/complementarity-assessment-framework-compass
COMPASS導入を見越して今からできる人員計画とは?
9月からのCOMPASS導入により、企業としてはこれまで以上にローカル人材を中心とした組織作りが求められることになります。とはいえ、事業を拡大していく上でまだまだ駐在員や外国人人材の力が必要なポジションもあるかと思います。
EP申請の直前になって慌てることのないよう、長期的な目線で、且つ早い段階から人員計画に取り組むことが重要です。
その第一歩としては、まずは自社の現状把握から始めましょう。
COMPASSのC1とC2は、EP申請の対象となる候補者個人の属性となりますが、C3とC4は企業属性となります。直近のアップデートにより、このC3とC4についてmyMOM Portal*上でより素早く正確な数値が確認できるようになっています。
myMOM Portalは、自社の従業員構成(従業員の年齢分布、就労ビザの人数割合、給与分布図など)がビジュアルで見やすく表記されていたり、MOM(Ministry of Manpower:労働省)が提供する採用予定のポジションに関するサラリーベンチマーキングのチェックもできたりと便利なウェブサイトです。既存従業員のリテンション対策用にも現行給与とマーケット相場を比較できるサラリーベンチマーキングツールのページもありますので、COMPASSのためだけではなく、日頃から組織の人員計画を考える際にも役立つツールとしてマネジメントの皆さまにもご活用いただけるかと思います。
* myMOM Portalへのアクセスするためには、まずは法人向けのCorpPassにてアクセス権限を設定する必要があります。通常組織のマネジメントや管理部門のマネジャーなどの立場の方がアクセスできるように設定されることが多いです。
My MOM Portal
C3. Diversity 国籍多様性
myMOM Portal上で自社の国籍別在籍人数割合の確認ができます。
C4. Support for local employment ローカル人材の雇用
myMOM Portal上で自社ローカルPMETs(月額給与S$3,000以上の従業員)の人数割合やポイントについて確認できます。
※COMPASSに利用されるWorkforce Profileは毎月6日に更新されます。急激な人数変動による影響を避けるため、MOMが入手可能な過去3か月のデータ平均値を表示しています。
<例>
例えば5月6日に更新されたデータは、貴社従業員プロファイルの1月、2月、3月分のデータ平均値に基づいて更新されます。4月分のCPF拠出金は5月に納付されるため、6月6日に初めて反映されます。そのため、5月6日の時点では4月分の従業員データは含まれません。
自社の現状把握を行った上で、今年の人員計画を立てていきましょう。
ローカルコアな組織作りが求められているので、現在駐在員が担当している業務をローカル人材で対応できないか、Succession Planning(後継者育成プラン)を行うのも一つです。
シンガポール政府は今年3月に COMPASS Shortage Occupation List (SOL)をリリースすると発表しています。(COMPASSのC5. Skills Bonusに該当)これはシンガポール国内で不足している職種リストですが、裏を返せばこのリストにない職種はローカル人材が豊富にいる、ということになるかと思います。
このリストにない職種の採用(駐在員の後継者含め)が必要な場合には、まずはローカル人材でマッチする候補者がいないか探してみましょう。
想定している候補者が採用マーケットにいるかどうか、給与レンジはどのくらいか等、ローカル採用に関するご相談は担当営業までお気軽にご相談ください。
参照:The COMPASS Shortage Occupation List (SOL)
https://www.mom.gov.sg/faq/compass/how-will-the-shortage-occupation-list-for-ep-applications-on-compass-be-identified
【免責事項】本ニュースレターで提供している情報は2023年3月15日時点の情報をもとに作成しています。ご利用される方のご判断・責任においてご使用ください。本ニュースレターで提供した内容に関連して、ご利用される方が不利益等を被る事態が生じたとしても、当社では一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。