いつもお世話になっております。パソナシンガポールです。
前回の記事では、2024年12月1日より施行されるTripartite Guidelines on Flexible Work Arrangement Request (FWAR:柔軟な勤務形態の要請に関するガイドライン) についてお届けいたしましたが、多くの企業様より実際の各社の取り組み状況や今後のご意向についてご相談受けるケースが多く、先月後半にクリックサーベイを実施いたしました。
そこで今月の記事ではFlexible Work Arrangementに関するサーベイの結果についてお届けいたします。お役に立てれば幸いです。
【調査概要】
- 調査実施期間:2024年5月20日~2024年5月31日
- 調査対象 :シンガポール法人に勤務する マネジメント、人事・管理部門担当者
- 調査方法 :オンライン
- 調査言語 :日本語
- 有効回答数 :164名(156社)
【調査結果】
<回答者属性>
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<現状のFWA導入状況>
まずは各社の現状のFWAの導入状況について確認いたしました。
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回答としては、「会社の制度としてリモートワーク導入済み(原則全員可能)」(47%)が最も多くなりました。
制度上、取得可能なリモートワークの日数については、「週2回まで」(31%)、「週1回まで」(27%)、「毎日可能」(18%)という結果でした。一方で、実際のリモートワーク取得状況については、「週1日程度」(35%)、「週2日程度」(27%)、「週3日程度」(17%)、「ほとんど取得していない」(15%)という結果でした。
「原則リモートワークは認めていない(オフィスへの出社が必須)」と回答した企業に対し、リモートワークを認めていない理由をお伺いしたところ、「業務上、オンサイトでの対応が必要なため(例:店舗でのサービス提供が必要など)」(48%の企業が選択)、「パフォーマンス、業務の質・量の担保に不安があるため」「社内コミュニケーションに不安があるため」(42%の企業が選択)、「勤怠管理が難しいため」(39%の企業が選択)という回答でした。
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リモートワークを導入している企業は多いものの、リモートワークにより組織内コミュニケーションに不安を掲げている企業や、勤怠管理が適切に行われているのか不安に思っている企業が多くいらっしゃるようです。
逆にリモートワーク導入でよかった点については、「従業員満足度の向上」(78%の企業が選択)、「従業員のリテンション」(39%の企業が選択)が多い回答となりました。
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フレキシブルタイムについては導入していない企業(36%)が一番多い結果となりました。ただし、申請ベースでフレキシブルタイム(時差出勤など)を認めている企業も多いようです。
フレックスタイム制を導入している企業については、コアタイムありの方が多い結果となりました。
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フレキブルロードについては、ほとんどの企業が導入していない(77%)という回答となりました。
<Tripartite Guidelines on Flexible Work Arrangement Requests (TG-FWAR)について>
さて、12月1日から施行されるガイドラインに対する各社の取り組み状況・予定はどのようなものなのでしょうか。
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本ガイドラインに向けた取り組み状況を伺ったところ、「自社ポリシーは持たず、TG-FWARに従って対応予定」(35%)が一番多い回答となりました。その次に多かったのは「TG-FWARについてどのように対応したらいいのかまだ分からない」(25%)という回答となり、このガイドラインについてまだまだ情報収集中の企業も多くいらっしゃるようでした。
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TG-FWAR施行にあたって不安に思っている点をお伺いしたところ、「リクエストをどこまで許容すべきかの判断」(68%の企業が選択)が最も多い結果となりました。ガイドラインでも指標やケーススタディの提示はあるものの、あくまで企業判断となることから各社の不安が感じとれます。
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最後に、今後FWAリクエストがあった場合、どの程度許容する予定か、現時点での各社のお考えをお伺いしました。「未定・これから議論」という回答が最も多く、方針はこれからご決定される企業が多いようです。
各社の回答の中から一部ご紹介いたします。
- 基本的には結果を重視しているので、全て許容範囲内です。業務効率が上がらない(結果が出ない)社員は別途適宜見直しをしてルール変更を考えています。(11名以上30名以下、製造)
- 現時点で、場所・時間に関しては柔軟に対応可能な体制であり、業務負担についても検討が可能と考えている。一方で、公平性をどう担保できるかは慎重な検討が必要(10名以下、製造)
- 本人と上長の間で面談と相談を行い、職務範囲や会社からのパフォーマンス(売上目標含)の期待値を双方認識し合意した上であれば、場合によっては報酬の見直しや勤務形態の見直しも含め、個々人ベースで比較的柔軟に許容すると思われる。(10名以下、サービス)
- リアルでコミュニケーションが取れる方がお互いの情報量が多く、業務もスムーズにいくと考えており、考慮すべき事情があり、かつリモートワークでもパフォーマンスが期待できる場合に限り許容したいと考えており、原則出社をしたもらいたいと考えております。(51名以上100名以下、店舗・小売)
- 月or週に何日までといった上限を設けた上で許容したい(11名以上30名以下、営業・貿易)
- 建設業であり、工事現場ではリモートワークやフレキシブルタイムの導入は難しい。現場をタイムリーに支援すべきでもある管理部門において、現場・管理部門間、部署間の公平性を保ちつつどの程度許容すべきか検討中である。(101名以上300名以下、建設)
<参照>
Pasona Newsletter 2024年5月号:Flexible Work Arrangement Request ガイドライン
Tripartite Guidelines that Shape the Right Norms and Expectations Around Flexible Work Arrangements to Come into Effect on 1 Dec 2024
Tripartite guidelines on flexible work arrangement requests
Guide to Managing Flexible Work Arrangement Requests (for Employers)
以上、今月は『Flexible Work Arrangementに関するサーベイの結果』をお届けいたしました。
本サーベイの詳細をお知りになりたい方は、パソナシンガポールまでお問い合わせください。
また、今後取り上げてほしいニュースレターのテーマについてご意見等ございましたら、どうぞお気兼ねなくご連絡ください。
※本記事で提供している情報は2024年6月19日時点の情報をもとに作成しています。ご利用される方のご判断・責任においてご使用ください。本サーベイ結果の著作権に係る一切の権利は、Pasona Singapore Pte. Ltd.に帰属します。本サーベイ結果の全部または一部を Pasona Singapore Pte. Ltd. の許諾なしに、複製、翻訳、転載、引用、頒布、販売、送信、転送などを行うことを禁止します。本記事で提供した内容に関連して、ご利用される方が不利益等を被る事態が生じたとしても、当社では一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。
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