労働市場の動向が雇用トラブル件数に及ぼす影響

いつもお世話になっております。パソナシンガポールです。

日頃お客様から採用だけではなく、人事労務に関する様々なご相談をいただいておりますが、従業員とのトラブルやクレームについてのご相談が増えてきているように感じます。

今年の8月にシンガポール労働省(Ministry of Manpower:MOM)が、労働市場指標の動向が雇用トラブル件数に及ぼす影響をまとめた「Impact of Labour Market Indicators on Employment Claims」をリリースしました。

そこで今月の記事では、この「Impact of Labour Market Indicators on Employment Claims」についてご紹介いたします。

本記事が皆様のお役に立てましたら幸いです。


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本レポートは、労働市場の動向が雇用関連に与える影響を調査したものです。
2021年以降の雇用関連申し立て(賃金や解雇に関する申し立てなど)の増加をもたらす主要な労働市場要因の特定に焦点を当てています。
対数線形回帰モデルを用いて、労働市場指標(解雇、人員削減など)の動向が雇用関連申し立てに及ぼす影響を分析しています。







雇用関連の申し立て件数は2021年以降増加傾向にあります。賃金申し立て(Salary claims)と解雇申し立て(Dismissal claims)の両方で増加していることが分かります。(Chart 1)

 ※図をクリックすると大きく表示されます。


労働市場の入れ替わり(ターンオーバー)は、雇用関連申し立ての件数が増加した理由について、一定の傾向を示しています。従業員の入れ替わりに関連する事業縮小(Business cessations)、人員削減(Retrenchments)、解雇(Dismissals)も近年増加傾向にあります。(Chart 2)

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賃金に関する申し立てと労働市場指標の関係を明らかにするため、分析を行った結果、非自発的な離職は賃金申し立てと密接に関連しており、賃金申し立てと解雇(Dismissal)、事業縮小(Business cessations)、人員削減(Retrenchment)との間に強い正の相関が認められました。(Chart 3)

 ※図をクリックすると大きく表示されます。


分析の結果、解雇(Dismissal)、事業縮小(Business cessations)、人員削減(Retrenchment)が100件増加するごとに、賃金申し立てがそれぞれ2.4%、1.8%、1.9%増加することが示されました。
また、賃金申し立てと求人数(Job vacancy)、失業率(Unemployed)、人員削減後の再就職率(Re-entry rate)といった他の指標との間には弱い負の相関関係が認められました。
この逆相関関係は、雇用情勢の改善や労働市場の縮小が賃金申し立ての抑制に寄与する可能性を示唆しています。







同様に、解雇に関する申し立てについても分析で同様の結果が示され、非自発的離職との間に強い正の相関関係が認められました。(Chart 4)
解雇(Dismissal)、事業縮小(Business cessations)、人員削減(Retrenchment)がそれぞれ100件増加するごとに、解雇申し立て件数は2.4%、2.1%、1.7%増加する傾向があります。








雇用関連申し立てと非自発的な離職(解雇、事業縮小、人員整理)の強い相関関係は、雇用条件の悪化ではなく、労働市場の状況が雇用関連申し立て増加の潜在的な要因であることを示唆しています。これらの指標は、労働紛争発生を未然に防ぐための早期警戒信号として機能し得ると言えます。

フルレポートはこちらからご確認いただけます。
Report: Impact of Labour Market Indicators on Employment Claims


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以上、今月はImpact of Labour Market Indicators on Employment Claimsについてお届けいたしました。

※本記事で提供している情報は2025年11月28日時点の情報をもとに作成しています。ご利用される方のご判断・責任においてご使用ください。本記事で提供した内容に関連して、ご利用される方が不利益等を被る事態が生じたとしても、当社では一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。








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