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賃金調査レポート2025 – Report on Wage Practices 2025

いつもお世話になっております。パソナシンガポールです。

2026年5月28日、シンガポール労働省(Ministry of Manpower:MOM)より、毎年恒例の「Report on Wage Practices 2025」が公表されました。

本レポートでは、2025年の昇給率や賞与支給状況、業種別の賃金動向などがまとめられており、シンガポール企業の給与トレンドを把握するうえで重要な資料となっています。

近年はインフレや人材不足を背景に賃金上昇が続いていましたが、今回のレポートからは、企業が依然として人材確保・定着を重視する一方で、給与改定についてはより慎重な姿勢へ移行しつつあることが読み取れます。

我々も日々、日系企業のお客様から昇給率や賞与水準、オファーパッケージに関するご相談をいただいておりますが、給与設計を検討する際には、マーケット全体の動向だけでなく、自社の業界や職種ごとの傾向を把握することがますます重要になっています。

そこで、今月のニュースレターでは、「Report on Wage Practices 2025」の内容をもとに、日系企業が特に押さえておきたいポイントを分かりやすくご紹介いたします。今後の給与改定や採用・リテンション施策をご検討される際の参考になれば幸いです。

本記事が皆様のお役に立てましたら幸いです。


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~給与は引き続き上昇も、企業は”慎重姿勢”へ~

シンガポール労働省(MOM)は2026年5月28日、「Report on Wage Practices 2025」を公表しました。2025年は引き続き賃金上昇が見られた一方で、企業の賃上げ姿勢には変化が見られています。
今後の給与改定や賞与設計を検討する企業にとって参考となるポイントをまとめました。



フルタイムの居住者従業員(シンガポール人・永住権保持者)の

・名目賃金上昇率は、2024年の5.6%から 2025年には4.9%へと鈍化
・実質賃金上昇率(インフレ考慮後)は、2024年の3.2%から2025年には4.0%へ上昇

※いずれも雇用主負担のCPFを含む。

※画像をクリックすると大きく表示されます。


名目賃金の伸び自体は前年よりやや鈍化していますが、インフレ率*が落ち着いたことにより、従業員の実質的な所得は改善しています。

日本本社から見ると、「給与上昇率は落ち着いてきた」という印象になるかもしれません。
しかし現地社員から見ると、”給与が上がらなくても物価負担が軽くなり、生活は改善している”という状況でもあります。
給与改定率だけではなく、実質賃金も一つの参考指標として考えることが重要です。

*インフレ率は、2024年の2.4%から2025年には0.9%に鈍化(シンガポール統計局)階で実施できる実務的な対応策について紹介しています。


2025年については、

・昇給した企業:72.4%
・据え置きした企業:24.5%
・減額した企業:3.1%

という結果となりました。

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前年は78.3%の企業が昇給していたため、昇給を実施する企業割合は減少しています。
その理由についてはMOMは、地政学リスク、インフレ見通し、世界経済の不透明感」を背景に、多くの企業が慎重姿勢へ移ったと分析しています。
 

上記の通り、「周囲も毎年必ず昇給している」という状況ではなくなっていることが伺えます。
そのため、昇給率の検討だけではなく、成果・生産性を踏まえたメリハリのある昇給設計がより重要になると考えられます。


昇給を実施した企業の平均名目昇給率は5.8%でした。

※画像をクリックすると大きく表示されます。


昇給の理由として最も多かった回答は、Employee Retention(人材定着)でした。
シンガポールでは依然として「優秀人材の確保・定着」が賃金改定の重要な目的となっています。単純に「マーケットが上がっているから給与を上げる」というよりも、“辞めてほしくない人材にどのように報いるか”という考え方がより強くなっています。


2025年の昇給率は、

  • 一般社員(Rank & File):4.8%
  • ジュニアマネジメント:5.1%
  • シニアマネジメント:4.9%


とレベルによる大きな差はありませんでした。
以前より「管理職だけ大きく昇給」という傾向は弱まり、より幅広い層へ均等に賃金上昇が行われています。

※画像をクリックすると大きく表示されます。


2025年は全業種で賃金上昇が見られたものの、多くの業種では2024年より上昇率が鈍化しました。特に以下の傾向が見られます。


賃金上昇率が高かった業種

  • Administrative & Support Services:7.5%
    清掃・警備・ランドスケープ等、Progressive Wage Model(PWM)の対象分野を含むため、低賃金労働者の賃金引き上げが継続。Rank & File層では8.3%と高め。
     
  • Insurance Services:6.6%
    2024年の4.9%から上昇。専門人材への需要が強く、管理職層・一般社員層ともに高めの伸び。
     
  • Financial Services:5.9%
    金融・投資アドバイザー、金融アナリスト、リスク管理人材など、専門人材の需要が継続。
     
  • Real Estate Services:5.3% / Professional Services:5.1%
    ビジネスサービス系も比較的堅調。専門職・管理職人材の確保が引き続き課題。

上昇率が比較的落ち着いた業種

  • Manufacturing:4.1%
    日系企業が多い製造業では、全体平均4.9%を下回る水準。Rank & File層は3.8%、管理職層は4.4%。
     
  • Wholesale Trade:4.4%
    2024年の4.2%からやや上昇しており、レポート上では数少ない「前年より伸びた業種」の一つ。商社・卸売系の日系企業にとっては参考になる動きです。
     
  • Retail Trade:4.4% / Food & Beverage Services:3.9%
    Progressive Wage Model (PWM) の影響はあるものの、2024年からは鈍化。店舗運営・現場スタッフの人件費は引き続き上昇圧力がある一方、伸び方はやや落ち着いています。
     
  • Accommodation:3.9%
    ポストコロナの観光需要回復局面で大きく上昇した反動もあり、2025年は過去の水準に近づいたとされています。

※画像をクリックすると大きく表示されます。


日系企業が多い Manufacturing、Wholesale Trade、Professional Services、Retail、F&B では、全体として急激な賃金上昇は一服しつつあります。
昇給率自体は落ち着いているものの、Finance、HR、IT、Sales、Regional Managementなどの専門人材については、業界平均以上の処遇検討が必要になるケースがあります。

昇給率について、全社員一律で大きく上げるというよりも、職種・職責・パフォーマンスに応じてメリハリをつけることが重要です。


MOMは、2026年について

  • 実質賃金は引き続きプラス
  • ただし企業は慎重な昇給姿勢


になると予測しています。

そのため、2022~2024年のような急激な賃金上昇局面は一服し、「必要な人材には投資する一方で、全体としては抑制的な賃金運営」という流れが続く可能性がありそうです。

フルレポートはこちらよりご覧ください。
mrsd-report-on-wage-practices-2025.pdf

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以上、今月は『Report on Wage Practices 2025』についてお届けいたしました。
ご参考になれば幸いです。

※本記事で提供している情報は2026年6月30日時点の情報をもとに作成しています。ご利用される方のご判断・責任においてご使用ください。本記事で提供した内容に関連して、ご利用される方が不利益等を被る事態が生じたとしても、当社では一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。








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